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2008.02.24

妙なる技の乙女たち 小川 一水著

軌道エレベータの設置によって宇宙産業都市になった赤道直下の都市リンガを舞台に、仕事ぶりが描かれる。工業デザイナ、水上タクシー、不動産経営社長、生物科学者などの職に就いている日本人女性が主人公。蒸し暑い赤道直下、人工的な拡張をした都市、宇宙産業といった日本の都市とは異なるはずが、なぜか身近に感じられるシーンの数々。直面する困難に地道な努力と職業的なひらめきによってクリアしていく描写が心地よい。ポブラ社のasta*に連載されていた7つのエピソードが収録されている。

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2008.02.23

せまるニック・オブ・タイム フルメタルパニック 賀東 招二著

クライマックスに向けて、AS・ウィスパード・ラムダドライバなどが誕生した背景を、ロシアの研究所をテッサやソウスケが調査する視点で読者に案内する。レナード、テッサ、ソウソケ、カナメがそれぞれの信念に基づいて頑固に行動を決めようとするが、周りに影響されて気持ちを変えたり。シリアスなストーリーが続く。

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2008.02.14

レビュー再考 林信行さん

MacBook Airの記事作成に伴い、パソコン雑誌やネットニュースのレビュー記事について見解を述べている。

雑誌にしてもWebにしても、ブログにしても、そもそもレビュー記事というのは嘘だらけだと私は思っている。実際、自分でいくつものレビュー記事を書いていても、嘘だらけだと感じている部分が多かった。
といった問題提起から始まり、議論が活発になればと記されている。 [1]ベンチマークの計測手段 [2]評者の個性の有無 [4]レシピのような決まり文句。メーカへの最大限の配慮。 [6]すべての媒体のレビューが同じになるのか?

こうした論点を別の雑誌で読んだ。それは自動車雑誌NAVIの巻頭コラムだ。CarGraphicという長年ある自動車雑誌を出している二玄社がそれまでの自動車雑誌の「典型的なレシピ」を否定した編集であった。
スピードだ、ハンドリングだ、馬力だといった自動車のベンチマークがあふれているときに、急ブレーキや危険回避といったメーカが触れたくないところをさらけ出す。エンコしようが雨漏りしようが楽しくてしょうがないというイタリア車の長期テスト記録。道路行政や警察の取り締まりに対する本質的な疑問の投げかけ。こういった話題が満載で楽しく読んでいた。それでは広告主は? というと、ファッションやアクセサリーやカバンなど自動車以外が多くを占めるようにして、メディアとしての個性と収益性を保っていた。

ネットニュースサイトなどの収益構造は雑誌に近いため、NAVIに続く自動車雑誌が出ないのと同じように、「嘘のない」レビューサイトは現れたとしても少ないと考えられる。
しかし、プログやメールメディアやRSSメディアは違ってくると思う。広告がGoogleのコンテンツマッチで配信されるのであれば、広告主とは直接的な利害関係が生じない。wikipedia式の集合知は、答えのない見解を集結するには向いていないため、Googleのknolのような取り組みがレビューには向いているのかもしれない。

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2008.02.07

傷物語 こよみヴァンプ 西尾維新著

高校二年生と三年生の間の春休みに阿良々木暦が吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを助けたエピソード。高校生になってから全く友達のいない退屈な春休みを前に、羽川翼と初めて会話したら、すぐにボケとつっこみが始まる。自身の投げやりな判断から瀕死のキスショットに命を差し出した阿良々木クンだが、いざ血を吸われてみれば、吸血鬼ハンターを倒さねばならない状況に。忍野メメと出会って無策のような策を授けてもらって3人のハンターに立ち向かっていく。
すでに単行本になっている化物語の前のエピソードだが、パンドラ誌上で時系列の前後を気にせずに読むことができる。
 羽川翼の執拗なまでの善人ぶりにより、戦場ヶ原とは違った経緯でブラウスやスカートの中を見せることで、血を吸われた阿良々木クンの心を支えるシーンが満載。「だめだよー。今日は見せたげない」といったセリフで阿良々木クンは萌えそうに。

 

パンドラ Vol.1 Side-A

傷物語
西尾維新著

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2008.02.02

もえない 森博嗣 著

高校生の淵田は物象部に所属する二年生。葬儀のシーンから始まって、友達の姫野とともに、それほど親しくないクラスメートだった杉山の死の不審さを解消しようとする。考えすぎたり、考えなかったり。淵田の一人称で進むストーリーは、怖くなってしまう考えや記憶の不確かさが体感できるミステリーになっている。姫野の竹で割ったような性格は読んでいて爽快だし、全ての謎が明らかになったときには、死んだ人は戻らないが、心地よい読後感が得られた。

もえない
森 博嗣 著


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